処遇改善加算について

事業所で働く直接処遇職員(職業指導員・生活支援員・児童支援員など)の
賃金改善を目的とした加算です。

加算の概要

他の加算とは異なり、単位ではなく「加算率」によって設定されています。
また、使途が「直接処遇職員(職業支援員・生活支援員等)の
賃金改善に限定されているのが特徴です。

処遇改善加算はⅠ~Ⅴの5段階に加算区分が分かれていますが、
今回は算定している事業所の多いⅠ~Ⅲについて解説します。

算定要件

要件は大きく分けて3つあります

  1. 共通要件
  2. キャリアパス要件
  3. 職場環境要件

1つずつ見ていきましょう!

①共通要件

処遇改善加算を算定するには「福祉・介護職員処遇改善計画書」(大分県では「障害福祉サービス等処遇改善計画書」)を算定する年度ごとに作成し、都道府県知事等に届出る必要があります。また、この改善計画書はすべての福祉・介護職員に周知(掲示や配布など)しなければなりません。

上記に加え、毎年度7月末までに「実績報告書」を事業年度ごとに提出し、さらに労働関係の法令を遵守していること(「法令に違反し、罰金以上の刑に処されていないこと」や「労働保険料の未納による滞納処分を受けていないこと」)も要件となります。

②キャリアパス要件

キャリアパスとは、「事業所において、スタッフがある職位につくために辿ることとなる経験や順序」のことをいいます。
つまり「どんなことをすれば、その職位に就くことができるのか」を示したものです。

  • 処遇改善加算Ⅰ…キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲすべてを満たす
  • 処遇改善加算Ⅱ…キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱを満たす
  • 処遇改善加算Ⅲ…キャリアパス要件ⅠまたはⅡを満たす

≪キャリアパス要件Ⅰ≫
職位や職責・仕事内容に応じた任用要件や賃金体系を定めていること

≪キャリアパス要件Ⅱ≫
職員の資質向上のため目標や計画を策定し、それに係る研修の実施や研修の機会を確保すること

≪キャリアパス要件Ⅲ≫
経験や資格に応じて昇給する仕組み、一定の基準に基づいて定期に昇給を判定する仕組みを設けること

③職場環境要件

賃金改善を除いて、職場環境等の改善を図るという要件です。
具体的に見てみましょう。

  • 入職促進に向けた取り組み
    (事業所の経営理念や人材育成方針の明確化など)
  • 資質向上やキャリアアップに向けた支援
    (研修制度、メンター制度の導入など)
  • 両立支援や多様な働き方の推進
    (子育てや介護等との両立を目指すための休業制度導入など)
  • 心身の健康管理
    (事故対応マニュアル作成や介護ロボットの導入・ストレスチェックなど)
  • 生産性向上のための業務改善の取り組み
    (タブレットやICTの活用、5S活動など)
  • やりがいや働きがいの醸成
    (学ぶ機会の提供、地域の児童や住民との交流の実施など)

処遇改善加算Ⅰ・Ⅱの場合は「2つ以上」の職場環境改善を実施、処遇改善加算Ⅲの場合は、「1つ以上」の職場環境改善を実施する必要があります。ちなみに、改善の内容は上記のどの項目から選んでも構いません。

手続きの締切

年度始めから算定する場合は、4月の中旬(R4年度の大分県は4/15)までに提出
年度途中から算定する場合は、加算を算定する前々月の末日までに提出
⇒例:8月から算定の場合、6月の末日まで

注意点

・支給された加算額を「超える」賃金改善をしなければならない

・対象職種に従事している者(直接処遇職員)に支給する
(〇:職業指導員、生活支援員、児童支援員など)
(×:サービス管理責任者、管理者、法人代表など)

サポート料金

当事務所では、処遇改善加算の届出サポートを行っております。

サポート料金55,000円(税込)

〈 サポート内容 〉
①処遇改善加算に関するご相談 ②加算算定のための届出書類作成 ③自治体への書類提出代行
④要件を満たすための体制づくりに関するご相談


処遇改善加算は算定要件が複雑であり、
作成・提出する書類も多い加算です。

スムーズな事業所運営のためにも
ぜひ一度専門家にご相談いただければと思います!

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    この記事を書いた人

    行政書士織田ゆか事務所
    代表 織田由香

    障害福祉事業専門の行政書士として
    事業所さまに「正しく・楽しく・継続的に」
    運営を行っていただけるようサポートを実施

    ≪セミナー実績≫
    報酬改定はじめの一歩セミナー

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